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世界の書店おすすめ4選

世界中で訪れる価値のあるユニークな書店4選をご紹介します。本好きにはたまらない、特別な体験ができる場所ばかりです。


1. リブレリア・アクア・アルタ(Libreria Acqua Alta) – イタリア・ヴェネツィア

リブレリア・アクア・アルタは、世界中の本好きにとって「一度は訪れるべき書店」として知られています。ヴェネツィアのカナル沿いに位置するこの書店の名前は「高い水」という意味で、この都市特有の洪水(アクア・アルタ)にちなんでいます。そのため、店内は洪水対策として独特のレイアウトが施されており、一般的な書店では考えられないような収納方法が採用されています。

本が収納されているのは、通常の本棚ではなく、ゴンドラ、カヌー、バスタブといった防水性のある容器です。これにより、洪水が発生しても本が水に浸ることを防ぎます。特にゴンドラに本がぎっしり詰められた光景はインスタ映えするスポットとしても有名で、多くの観光客がここを訪れます。

また、リブレリア・アクア・アルタは単に書籍を購入する場所としてだけではなく、アートや文化的な空間としての役割も果たしています。書店の裏庭には、古本を積み上げて作られた「本の階段」があり、この階段に上がるとヴェネツィアの運河を一望できます。店内では地元の歴史や文化に関する本、旅行ガイド、古書、新刊、さらには珍しいコレクターズアイテムまで幅広いジャンルが取り扱われています。

さらに、店主であるルイージさんのユーモアと情熱が、この書店の雰囲気を一層特別なものにしています。訪問者との会話を楽しみ、店の歴史や洪水対策の工夫について熱心に語ってくれる姿は、多くの旅行者の心に残る体験となっています。


2. エル・アテネオ・グラン・スプレンディッド(El Ateneo Grand Splendid) – アルゼンチン・ブエノスアイレス

エル・アテネオ・グラン・スプレンディッドは、単なる書店を超えた圧倒的な空間美を誇る場所です。もともとは1919年に劇場として建設され、その後映画館としても使用されていましたが、2000年に書店へと改装されました。その劇場時代の名残が、現在の豪華で壮麗なインテリアに色濃く反映されています。

書店の特徴的な要素の一つは、元の劇場の舞台がそのまま残されており、現在は読書やくつろぎのスペースとして利用されていることです。バルコニー部分には本棚が配置され、まるで観客席が本の海に変わったかのような幻想的な光景を作り出しています。また、天井のフレスコ画は当時の名残を色濃く残し、歴史的な価値と芸術的な魅力を感じることができます。

エル・アテネオは、その膨大な蔵書量も見逃せません。文学、歴史、芸術、旅行など、多岐にわたるジャンルが取りそろえられており、英語やスペイン語の書籍が豊富です。また、カフェスペースでは、美しい空間を楽しみながら軽食やコーヒーを味わうことができます。多くの訪問者が、ここで何時間も過ごしてしまうほど居心地が良いと評しています。


3. ポルトのレロ書店(Livraria Lello) – ポルトガル・ポルト

ポルトガルの歴史的な都市ポルトにあるレロ書店は、文学愛好家にとっての聖地とも言える存在です。その名声は、ハリー・ポッターの作者であるJ.K.ローリングがこの書店を訪れ、ホグワーツの図書館のインスピレーションを得たという逸話に支えられています。

書店の最も印象的な特徴は、中央にそびえ立つ赤い螺旋階段です。この階段は、どこか魔法のような雰囲気を漂わせ、訪れる人々を別世界へ誘います。また、ステンドグラスの天井から降り注ぐ柔らかな光が店内を照らし、クラシックでありながら暖かみのある空間を演出しています。

レロ書店では、ポルトガル文学だけでなく、世界各国の書籍も取り扱っており、観光客だけでなく地元の人々にも愛されています。また、訪問者が書店の美しさを最大限に楽しめるよう、写真撮影に特化した時間帯が設けられていることも特徴の一つです。


4. シェイクスピア・アンド・カンパニー(Shakespeare and Company) – フランス・パリ

セーヌ川沿いに位置するこの書店は、ただの書店ではなく、文学史の重要な一部です。シェイクスピア・アンド・カンパニーは、初期の英語文学の中心地として、多くの著名作家が集った場所として知られています。例えば、アーネスト・ヘミングウェイやF・スコット・フィッツジェラルド、ジェームズ・ジョイスなどがここで時を過ごし、交流を深めていました。

店内は狭い通路と無数の本棚で埋め尽くされており、まるで迷路のようです。至る所に古いタイプライターやアンティークな家具が配置され、訪問者に懐かしい雰囲気を与えます。また、この書店のもう一つのユニークな側面は、「トラベリング・ティンカーズ」と呼ばれる住み込みの作家たちの存在です。彼らは書店で働く代わりに宿泊場所を提供され、書店の歴史と文学的な雰囲気をさらに豊かにしています。

また、店内では定期的に朗読会やイベントが開催されており、訪問者がただの観客ではなく、積極的に参加できるよう工夫されています。


いずれの書店も、その地域の文化や歴史、さらには建物の持つ魅力が融合した特別な場所です。本好きならずとも、訪れれば心を打たれる体験ができるでしょう。次回の旅行先の計画にぜひ加えてみてください。